深夜のフリマアプリ
副業代わりに、フリマアプリで服やゲームを売っていた。
ある日、古いデジカメが売れた。
購入者の名前は『S』。
特に変な点はなかった。
取引メッセージも普通。
発送後、すぐ受取評価も来た。
問題が起きたのは、その翌日だった。
また『S』から通知が来た。
『ありがとうございました』
それだけなら普通だった。
だが、その後すぐ追加メッセージが届く。
『部屋、綺麗ですね』
意味が分からなかった。
デジカメしか売っていない。
部屋なんて見せていない。
気味悪くなり、無視した。
すると翌日。
また通知。
『黒い棚、どこで買ったんですか?』
ゾッとした。
黒い棚は部屋にある。
でも出品画像には映っていない。
急いで商品ページを確認する。
やはり映っていない。
だが、その時気づいた。
デジカメのレンズ部分。
小さく反射していた。
自分の部屋が。
それから毎日のようにメッセージが届くようになった。
『今日帰るの遅かったですね』
『コンビニ好きなんですね』
『そのパーカー似合ってます』
完全に監視されていた。
怖くなり、アカウントを削除。
だが数日後、自宅へ荷物が届いた。
差出人なし。
中には大量の写真。
全部、自分。
通勤中。
コンビニ。
駅。
部屋の窓。
そして最後の一枚。
寝ている自分を、真横から撮影した写真だった。
その瞬間、玄関のドアノブがゆっくり回った。
鍵は閉まっている。
だがドアの向こうから、女の声が聞こえた。
『返品、できますか?』